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【根拠あり】鉄フライパンの本当のシーズニング方法・種類・育て方・使い方 ここで全て勉強し尽くす!【完全保存版】

お勉強

ネット上には鉄フライパン・鉄板の使い方について色々な情報が出回っています。

少し検索をすると、もう新手の宗教なんじゃないかというくらい、根拠もなく一つの情報だけを信仰して拡散している人が多いことがよくわかります。

自分自身フライパンの使い方を調べていくうちに「本当にそうなの?」と思うような情報が堂々と出回っているため、様々なところから情報をかき集めてみました。

性格がひん曲がっているのかもしれませんが、ネット上では「ウソをウソと見抜けない人でないと、使うのは難しい」と言っていた人もいますし。

僕なりに一番根拠があると思われる情報をまとめてお伝えしますので、情報の一つとしてご参考にしていただければと思います。

長い記事ですので、シーズニングについてだけご覧になりたい方は、目次から直接お進みください。

なお、情報の邪魔をしないようにフライパンの紹介は記事下でまとめて行いたいと思います。

フライパンについて他の勉強はこちら

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鉄フライパンとは

フライパンとは炒めものに使う柄がついている浅い鍋のことを指します。

鉄フライパンはその名の通り鉄で作られたフライパン全般を指します。

この中にはキャンパーがよく使うスキレットも含まれます。

柄の部分は鉄だったり木製だったりと、品によって様々です。

柄の部分だけ他のメーカーとコラボしている商品もあります。

ここでは鉄板も同様の扱い方・シーズニングとして考えています。

鉄フライパンの種類

鉄フライパンはその作り方によって4種類に分かれます。

プレス式

ほとんどのフライパンはこの成形方法で作られています。

鉄板を型抜きし、フライパンの形に成形します。

大きさや厚みなどは様々で、価格もお手頃な物が多く、選択肢が豊富です。

鉄フライパンを経験したい場合にはオススメの種類です。

プレス式だからダメということはなく、扱い方によって最高の相棒になるのが鉄フライパンの長所でもあり、高い物を買ったからと言って、手入れを怠ればすぐダメになってしまうのが短所でもありますね。

鋳造

鋳造フライパンは鋳物(いもの)とも呼ばれます。

鉄を溶かして型(鋳型)に流し込み、冷えて固まったら完成です。

代表的な商品としては、錦見鋳造株式会社の魔法のフライパンや、スキレット類が当たります。

鉄を圧縮していないので、空気が内部に入ったり、表面が凸凹しています。

凸凹があるため、油の馴染みがよく、また食品との接触面が少なくなるため焦げ付きが少なくなります。

ただしその製造方法から他と違い強度が低めなので、熱した鋳物に水をかけるなど、急激な温度低下があると割れてしまいます

細かく言えば鋳物もそこからまた分類されるのですが、鍛冶職人でもない限りそこまでの情報は必要ないと思うのでここでは説明しません。

打ち出し

打ち出しは職人の技が光る製造方法です。

大まかに切り出した鉄板をハンマーで叩きながら成形、圧縮していく方法です。

日本では山田工業所が打ち出し製法をしているようですね。

機械ではなく人の手で売った鉄は、適度な凸凹で油の馴染みもよく、また密度が高い強い鉄になり末永く使える丈夫なフライパンになります。

価格はその分高くなりますが、一生モノのフライパンだと思えば安い買い物だと思えます。

鍛造

鍛造は打ち出しと似ていますが、鍛造は鉄の塊から専用のハンマーでフライパンの形に成形します。

その製造方法から見た目は無骨な男らしいデザインになっています。

有名なブランドでは、ドイツのturk(ターク)のフライパンがあります。

turkのフライパンは本体から柄まで1つの鉄塊から打ち伸ばして作っているため、つなぎ目がありません。

これも鍛造ならではの作りと言えるでしょう。

また、打ち出しと同様凸凹があり、油馴染みと焦げ付きにはメリットがあります。

SNSでもその飾らない見た目が人気で、鉄フライパンを検索するとたくさんのturkが表示されます。

何がそんなにいいの?鉄フライパンの魅力とは?

なぜ鉄フライパンはこんなにもみんなが使うようになったのでしょうか。

「お店で使っていそう。」

「重そう。」

「手入れが面倒そう。」

鉄フライパンを使い始める前、みなさんが持っているのはそんなイメージだと思います。

では実際の鉄フライパンの長所、短所を挙げてみます。

長所

高火力でサッと調理できる

鉄フライパンと言えば高火力で一気に熱を通すことができることは一般的にも知られています。

テフロン加工のフライパンでは、コーティング保護のため中火までしか使うことはできませんが、化学的なコーティングがされていない鉄フライパンであれば極端な話、鉄が溶ける寸前までは火力を強めることができます。

また、下項目の熱容量の大きさもあり、材料を入れても冷めずに熱を通すことができます。

ちなみに鉄の融点(溶ける温度)は1538度です。そこまでできるコンロや焚き火はきっとこの世の中にはないでしょう。

一気に調理できるのはフライパンだけではなく、中華鍋や炒め鍋、鉄板など鉄製に共通して言えることですね。

そのため野菜炒めなどもしんなりしてしまう前にさっと炒めて仕上げることができます。

熱容量が大きい

熱容量というのは、温められた熱を貯め込んでいられる力を示すものです。冷めにくさと同じ意味になります。

熱容量はC(熱容量) = m(質量)× c(比熱) で表すことができます。

比熱というのは、その金属1gを1度上げるのに必要なエネルギーです。

比熱の値は金属ごとに決まっていて、その金属1gあたりの熱容量とイコールです。

比熱自体は、アルミが他のフライパンの金属より倍程度大きいのですが、質量(重さ)が鉄やステンレスの1/3程度なので、同じ体積、厚みのフライパンを作ったとしても鉄やステンレスの方が重いため、アルミの熱容量は鉄やステンレスより小さいということになります。

重ければ重いほど熱容量は大きくなるということが、鉄やステンレスなどの質量が大きく重いフライパンは冷めにくい、と一般的に言われる理由です。

色々理数系な感じで説明しましたが、簡単に言えば「重い鉄フライパンは材料を入れても冷めにくいよ。厚みがあればあるほどさらに冷めにくいよ。」ということです。

SNS映えする

黒光りし、ツヤのある鉄のフライパン、無骨で飾らない鉄フライパンはSNSでも人気者です。

目玉焼きとウインナーを載せるだけでも映える写真を撮ることができます。

そのタフさからキャンプなど屋外での利用も盛んなので、それもSNSに投稿される理由の一つになっています。

短所

非常に重い

長所の項目でもありましたが、鉄は質量(重さ)が大きいため、重いです。

また、鉄フライパンは熱容量を大きくするため厚みのあるものが多く、余計重さに拍車をかけています。

ちなみに僕の持っているフライパン(24cm)は1.3kgあります。

取っ手まで金属なので重くなるのは当然ですね……。

こうなるともう振るのは不可能ですので、材料の方を混ぜるかステーキのようにじっくり焼くしかありません。

ただ、他に持っている炒め鍋(22cm)はその用途上、金属が薄く作られていますので、640gしかありません。

普段1kg以上のフライパンを持っている身からしたら軽々です。

鉄のフライパンもその厚みによって用途が分かれますので、1つ持っていれば完璧!というわけではありませんね。

錆びる

フライパンはコーティングされていない鉄なので、当然錆びてしまいます。

鉄を放っておくと自然に発生してしまうのが赤錆(酸化第二鉄:Fe2O3)です。

これは鉄自体を侵食してボロボロにしてしまうので早めに処理しないといけません。

初期でサビ防止加工をしているフライパンもありますが、使用しているうちに剥げてしまいます。

この赤錆を防ぐことがフライパンを長く使うコツですね。

ただし、赤錆自体は酸化しただけの鉄ですので、摂取したとしても体に毒ということはありません。

これを防ぐために以下の項目にあるシーズニングという作業をします。

厚みによって違う、鉄フライパンの用途

フライパンも様々な厚みがあります。

その厚みによって調理方法も違ってきますので、厚み別におすすめの調理法をお伝えします。

フライパンを買う時に、自分はどんな料理をするかによって選んでくださいね。

1.2mm

薄い鉄で作られているフライパンは短時間の炒め物に最適

芯まで完璧に火を通さなくてもいい場合は1.2mmがベストです。

僕は1.2mmの鉄製炒め鍋でチャーハンやもやし炒めを作っています。

家庭用コンロでは火力が強くないので、あまりフライパンを煽ると熱が逃げてしまいます。

軽いからと言って煽るのはほどほどに。

1.6mm

少し重くなりますので、女性では煽るのは少し難しくなってきます。

熱容量も大きくなりますので、材料を入れても熱が逃げにくくなります。

1.6mmはフライパンの中でもメジャーな厚みで、汎用性に富んでいます

炒めものもできるし、焼き物や揚げ物もできるので、初めてのフライパンにはおすすめの厚みでしょう。

2.0mm

かなり重くなってくるので、女性で煽れる人は少ないでしょう。

2.0mmからはその蓄熱性で焼き物が得意になってきます。

ステーキなどは2.0mm以上で焼いた方が外はカリッと中はジューシーに焼き上がること間違いなしです。

また、IHは温度変化が激しいので、薄いフライパンを使うと変形してしまう恐れがあります。

IHで使用する場合は、煽ることもないので2.0mm以上の厚みがおすすめです。

2.4mm

2.4mmも販売されているフライパンではメジャーな厚みの1つです。

このくらいになってくると、軽いダンベルを持っているようなものなので、男性でも煽り続けることは難しくなってくるでしょう。

素直に焼き物として使うか、材料の方を炒め回して調理しましょう。

材料を入れてもあまり温度が下がらないので、焦げ付きにくく調理ができますし、分厚い肉なども安定して火が通るようになります。

IHでもおすすめの厚みです。

3mm以上

3mm以上は鋳物がかなり多くなってくるため、熱しているところに水を入れると温度変化で割れてしまうことがあります。

また、この厚みになってくると、煽るのは相当な力持ち以外無理でしょう。

そのため揚げ物か焼き物用となります。

鉄フライパンの使い方

では実践的な説明に入ります。

鉄フライパンを使うためには避けては通れない道。シーズニングです。

このシーズニングのやり方について、ネット上では理論的に合っているのか合っていないのか、わからない情報ばかりだったのが、この記事を書くきっかけになりました。

プラシーボ効果かもしれませんが、かき集めた情報を整理して僕なりにシーズニングしてみたところ、体感できる程の効果はありました。

必ずこれが一番いいやり方とは言い切れませんが、確実に効果はあると思いますので、御覧ください。

なぜシーズニングが必要なのか

シーズニングは英語だと「seasoning」。調味料なんかの意味の他に乾燥という意味があります。

基本的には鉄フライパンを実用的に使えるまでの準備だと考えればいいでしょう。

鉄フライパンはその性質上、錆びついたり焦げ付いたりとそのままで使うのは少し大変です。

それを改善するための作業がシーズニングです。

最近流行りの醤油シーズニングについて

最近は「油じゃなく醤油(しょうゆ)でシーズニングをするとスルスルになるよ!」という方法も巷で流行っているようですね。

ただ、これも根拠が全くありません。

おそらく全体に焦げを薄く作って食材と鉄と直接触れないようにしているんだと思うんですが、焦げは結局炭と一緒なので、脆くて壊れやすいです。

また、皆さんご存じの通り醤油には塩分が豊富に含まれています。

塩分はフライパンで熱した程度では変化しませんので、塩分のままフライパンに付いていることになります。

すると塩分は空気中の水分を取り込んで、鉄を錆びさせる働きをしてしまいます。

ということで、僕的には長持ちしないシーズニング、かつ塩分で鉄を痛めてしまう可能性が大きいのでオススメできません。

直後に目玉焼きをやってみたらうまくできたというのも、気合いを入れてよく油とフライパンを熱してから目玉焼きを焼いたから、普段よりうまくできたというプラセボの域を出ないのではないかと・・・・・・。

鉄フライパンのシーズニング方法

①鉄の表面をむき出しにする

※コーティングが初めからされていない新品のフライパンや、すでに黒色酸化皮膜(四三酸化鉄皮膜:黒錆と呼ばれる被膜)が作られているフライパンでは飛ばしてもらっていいでしょう。

黒い被膜だと思っていたものが、実は長年の油汚れだったりすることもありますのでご注意。

まずは汚れや赤錆、シリコンやウレタンコーティングを剥がします。

汚れや赤錆、コーティングを剥がすためにはまずはコンロでひたすら熱するのが早いです。

汚れやコーティングを熱して炭化させ、ボロボロにしましょう。

最近のコンロは熱センサーにより、自動的に火力が弱まってしまいますので、カセットコンロで熱したり、BBQコンロで炭の上に置いてしまうのが確実です。薪で燃やすのはススがついてしまいますのでおやめください。

その後フライパンが冷めたら、サンドペーパー(紙やすり)でひらすら磨きます。

汚れを落とすときは240番、400番あたりが適しています。

その後600番や800番で大きな磨きキズを消しましょう。

すると、フライパンが鉄本来の銀色になってきます。鋳物ではわかりにくいかもしれません。

ここがまずスタート地点です。

②鉄に火を入れ、酸化皮膜を作る

次に黒錆と呼ばれる酸化皮膜を作ります。

この作業の目的はフライパンを錆びにくくすることです。

ネット上では焦げ付きにくくするためのシーズニングとして扱われていたりすることもありますが、本来は錆防止のために行います。

簡単に言ってしまえば、「鉄をそのままにしておくと赤錆が出てしまうので、その前に他の錆を作ってしまえばもう錆びることはないでしょ。」という考え方です。

赤錆は酸化第二鉄というもので、水や空気に触れることで自然発生します。錆発生のメカニズムについては読む気を失くすと思いますので省略します。

一方、黒錆は四酸化三鉄と呼ばれ、鉄に自然発生はしません。空焼きを行い、高温で熱することにより鉄に黒錆がつくのです。

実際は黒錆と言っても青みがかった銀色になります。

こちらも①と同様ひたすらコンロや炭で熱しましょう

火のあたっている部分が青く変化していくはずです。

火のあたっていない部分は黒錆が発生しにくいので、フライパンの位置を変えながら全体が青くなるまで熱しましょう。

この作業は業務用コンロで数分~数十分、家庭用では最低でも数十分はかかるはずですので、火事に注意しながら気長に行ってください。

これが空焼き後です。モニターによってはわかりにくいと思いますが、全体的に青みを帯びていることがわかるでしょうか。

これが酸化被膜ができ上がった証拠です。

この作業によりこれから日常的に使用していく上で赤錆が発生しにくくなります。

③油慣らしをする:オリーブオイルはダメです!

油慣らしの理屈

ここからが焦げ付きを防止し、テフロン加工に負けない扱いやすさを作り出すためのシーズニングになります。

まず油慣らしをする理由ですが、これは油の成分に重合と呼ばれる化学変化を起こさせるためです。

そうすることによって、フライパンの表面に固化した膜が作られ、焦げ付きや錆を防ぐことができるのです。

ただし、油は何でもいいわけではありません

ここでまたネット上の情報について、ずばり否定から入ってしまうと、オリーブオイルは油慣らしには不向きです。

そもそも油には乾性油・半乾性油・不乾性油の3種類があります。

これはそれぞれの油に含まれる不飽和脂肪酸の量で決まります。

聞いたことがあると思いますが、オレイン酸やリノール酸などを不飽和脂肪酸と呼びます。

その不飽和脂肪酸の量が多いものほど乾性油(空気中で完全に固まる油)
少ないものほど不乾性油(空気中で固まらない油)と呼ばれます。

手に入れやすいもので言うと

乾性油:亜麻仁油、紅花油(サフラワー油)、ひまわり油(サンフラワー油)、えごま油 ←乾性油がオススメ!!!

半乾性油:コーン油(サラダ油)、ごま油

不乾性油:オリーブオイル、菜種油

になります。

オリーブオイルは不飽和脂肪酸の量が少ないため不乾性油、つまり空気中で固まらない油んです。

おそらく鋳物のサビ防止のために塗っているオリーブオイルのことが、シーズニングに混同されてしまったのではないかと推測します。

(また、オリーブオイルの不飽和脂肪酸であるオレイン酸は、二重結合が1箇所しかないため重合には不向きです。乾性油のリノール酸は2箇所。)

つまり、油慣らしをするには乾性油が最適です。なければ半乾性油でもいいでしょう。

その不飽和脂肪酸が外部からのエネルギー(熱や酸素)によって分解され、他の不飽和脂肪酸と結合し、別の物質に変化します。これが重合です。

重合すると粘度が強くなったり、固まったりしますので、それがフライパンの表面を覆います。

この重合した物質は熱によって溶けてしまうことはありません。

フライパン上でこの化学変化をさせて皮膜を作る作業を、油慣らしと言います。

もちろんオリーブオイルでもできないことはありませんが、不飽和脂肪酸が少ない上に結合箇所が少ないので、弱い被膜になります。

油慣らしの方法

では実際の油慣らしの方法です。

①黒錆をつけたフライパンを洗って水分を拭き上げる

②亜麻仁油などの乾性油を薄く塗り、コンロで煙が出るまで熱する

③フライパンが冷めるまで待つ

これだけです。理屈は難しいですが、実際に施工するのは簡単ですね。

1回で心配であればこの作業を数回繰り返しましょう。

えごま油の中でも一番不飽和脂肪酸が多く入っていたものをスーパーで買ってきて、2回油慣らしをしたのが上の写真です。

換気扇の油汚れのように、油がべったりついているように見えますが、触ってみても指につくことはありませんし、この状態で水を入れて熱してもパチパチっとはねることはありません。

がっちり化学変化してコーティングされています。

使用するごとにサラダ油の重合も重なってどんどん強い被膜になっていき、また色も黒く変色していくと思われます。

この方法で行ったフライパンは使用後に洗剤やたわしで洗ったとしても、そう簡単に被膜が剥がれることはありません。何回も実践済みです。(金だわしでは削ぎ落とされてしまいます。)

また、後述しますが汚れをしっかり落とさないほうが焦げ付きの原因になりますので、できれば洗剤を使った方がいいのではないかと思います。

よく「野菜くずでやると鉄の匂いが取れたり、油が馴染んだり~」と書いてありますが、どういう理屈で野菜くずなのかは書いてありません。

おそらくまんべんなく油を塗る作業と同じことをしているだけだと思いますが、野菜が結局焦げ汚れの原因にもなりかねませんので、僕はオススメしません。

鉄フライパンの調理方法について

シーズニングが終わったらいよいよ調理をしてみましょう。

鉄フライパンは材料を投入する前にちょっとした作業が必要です。

その作業をせず、とりあえず使ってみたけど焦げ付いたり全然剥がれなかったりで、鉄フライパンを使うのが嫌になってしまった人もいるのではないでしょうか。

フライパンに材料がくっついてしまう原因、解決方法は?

食材に含まれる成分がフライパンにこびりつく原因です。

炭水化物は50度から糊状に変化します。

たんぱく質は60度から凝固を始めます。

それらがフライパンの金属に凝着をしてしまうため、こびりついてしまうのです。

それを防ぐための被膜であり、油なのです。

ただし、被膜があっても油を敷いていても低温の場合は多少なりとも凝着が進んでしまいますので、食材とフライパンが付かないよう油を間に挟んで、凝着が進む前に一気に熱でかためてしまうのがフライパンの調理法です。

※そのため冷凍食品はフライパンの温度を一気に下げてしまうため、鉄フライパンでの調理には適していません。

油返しをしてから材料を投入

フライパンの扱い方を検索すると、必ず出てくるのがこの油返し

油慣らしとごっちゃになっているサイトも多々見受けられますので、ご注意を。

油返しは、多めの油を熱したフライパンに入れ、油をなじませてからオイルポットに戻すという作業です。

これはもちろん理にかなっています。油を入れて皮膜を作り、フライパンに油も残るので材料のこびりつきも防げます。

ただし、サラダ油は熱するとすぐ酸化してしまいます。

中華料理店のようにまたすぐ再利用するのでなければおすすめできません。

そのため家庭では熱したフライパンに普通に油を敷いて使うので問題ないと思います。

皮膜を作りながら油の層を作るということであれば、一回一回油を注ぐので構わないでしょう。

(ただ油返しは、まんべんなくフライパンに油が馴染みますし、実際にフライパンに残る油の量はわずかで、油の節約やカロリーオフにつながるという利点があります……。)

また、油を入れる前にはフライパンの温度を180度程度まで上げておきましょう。

煙が出るか出ないかといったところで油を入れて、全体になじませれば油返しと同じ作業は完了です。

その後は材料を投入して調理しましょう。

調理が終わったら

調理が終わったら早めにフライパンは洗剤とスポンジ、またはたわしで洗いましょう。

熱い状態のほうが汚れは落ちやすくなります。

また、洗剤を使っても化学変化した皮膜は簡単には落ちません。

しっかり被膜ができている場合、仕上げに油を塗る必要はありません

鋳物の場合は、凹凸が激しく、シーズニングができていない部分から赤錆が発生してしまう可能性があるので、乾かないオリーブオイルを塗っておくのが効果的です。

それでも焦げ付いてしまったら

きちんとシーズニングも油返しもしたのに焦げ付いた!ということもあります。

原因は材料を入れた際にフライパンの温度が下がってしまい、材料がこびりついてしまったためです。

これはもっと厚いフライパンを使う、材料を少なくする、常温にするなどの対応策しかありません。

または、ターナーを変えることで劇的に調理のしやすさは変わります。

上でも少し書きましたが、冷凍食品はフライパンの温度を一気に下げてしまうため、こびりつき、焦げ付きやすくなります。

もし焦げ付いてしまった場合は熱湯を注いだ後、洗剤を使って落としましょう

それでも落ちない場合はフライパンでお湯をグラグラ沸かしましょう

それでほとんどの焦げ付きは落ちやすくなるはずです。

化学変化した被膜も熱で溶けることはありませんので、スポンジで落ちなければたわしを使って落としましょう。

汚れが残っていると、汚れを巻き込んだまま油の被膜が作られ、その汚れにさらに焦げ付いて……と悪循環になってしまいます。

もしそうなってしまった場合は、手間ですが皮膜を落としてまた新たに作り直すことになります。

そのため、洗剤を使ってしっかり汚れを落とすのがおすすめです。

プロの料理店でも衛生の面も考えてしっかり洗剤を使って洗っているところが多いです。

鉄フライパンを末永く使っていくために

確かに鉄フライパンはテフロンより面倒だと感じる部分も多いでしょう。

ただし、それはテフロンに慣れてしまっているから。

テフロンだって金属のフライ返しは使えませんし、中火までしか使えません。

1~2年で買い替えが必要になる手間のかかるフライパンです。

試しに鉄のフライパンをメインで使い続けてみましょう。

ラフに使ってもびくともしないタフさに「楽だ」と感じるはずです。

放置して赤錆さえ発生しなければ鉄のフライパンは長く使うことができます。

何より、チャーハンがすごくパラパラでおいしく作れますよ。

少し手をかけてあげて、末永く付き合える鉄の相棒を作ってみると楽しいですよ。

それでは良きフライパンライフを!

フライパン紹介

プレス式

めちゃくちゃオススメです。鉄フライパン持ち手が長いのが多いんですが、取っ手が短くてすごく取り回しが楽です。小さめのを一つ持っておくと油も少なくて済んでちょっとした焼き物に使えます。

すごく安くてコスパに優れたフライパンです。うちにも一ついらっしゃいます。

プレス式で有名なメーカー。木製の取っ手は熱くならなくていいですね。フライパン部分は他とそうは変わりません。

買いました。深くて使いやすいです。ターナーの説明の時にも使用しています。

鋳造

スキレットと同じ製法というのも不思議な感覚。公式から買えば安いですが、いつになるかはわかりません。ECサイトはかなり割高ですがすぐ届きます。

異論は認めますが、正直スキレットは大きさと深さが違うだけであまり差は感じません。僕はダイソーのスキレットで十分楽しめています。

打ち出し

日本で唯一(おそらく)の打ち出しフライパン。微妙な凹凸が油馴染みを良くする上に、多少食材のこびりつきを防止します。いい品だと思います。

鍛造

SNS映えNo.1の座は堅いか。キャンプでも使っている人多数。仕上げが雑に見えるほどかなり無骨。取っ手と一体なので取れる心配なし。うちでも肉を焼く専用器として君臨しています。

引っ越し屋さんにも「キャンプやるんスか?」ってこのフライパンだけで言われました。

https://ajinefrypan.com/ あじねフライパン

注文を受けてから作製する日本のメーカー。大体4~8週くらいかかりそうです。オーダーメイドもあるので、こだわる方は是非どうぞ。

コメント

  1. ミミ より:

    はじめまして。
    お聞きしたいことがあるのですが、油ならしするとき、フライパンの外側にも油を塗りますか?
    その後野菜くずを炒めるとありますが、何故野菜くずを炒めるのでしょうか??

    鉄のフライパンが欲しくて、色々調べて、最初に買う予定だったものじゃない高いフライパンを購入してしまいました。^^;
    大事に使おうと思っています。

  2. ミミ より:

    度々申し訳ありません。

    調べたところ、油ならしした後拭き取ったキッチンペーパーで裏側にも油塗り込む…とありました。
    その後、野菜くずを炒めて馴染ませる?金属臭さを取るとか。

    試してみたいと思います。

    いきなりお邪魔して大変失礼いたしました。

    • もみち もみち より:

      ミミ様
      コメントありがとうございます。野菜くずを炒める説はいたるところにありますね!
      でもミミ様も?をつけている通り、何のためなのかは人によって曖昧です。
      鉄臭さを取るという話が多いですが、そもそも鉄の塊なので鉄分は常ににじみ出てきますし、僕としてはコーティングを落とすのも兼ねて、最初に洗剤と金タワシでしっかりガシガシ洗えば問題ないと思っています!
      馴染ませるためだとしても、野菜だと全体に均等にできませんので、やはりペーパータオルあたりの丈夫な紙で均等に塗るのがベストだと思っています。

      なかなか扱い方が難しいですし、冷凍食品を焼こうとして結局くっついてしまって、皮膜ごと剥がれてしまったりと手のかかるフライパンですが、面倒臭さに慣れてきて扱いが雑になると、気を使わなくなるので楽になってくると思います。

      あ、裏面は常に火で焼かれているので裏に油を塗っても、汚れがつきやすくなって焦げの原因になってしまうだけです。
      サビが多少出ても、通常通りに火を入れてタワシでこすれば落ちますしね!