今やぶどうと言えばシャインマスカットと言えるくらい、シャインマスカットはぶどうとしての地位を確立しています。
ですが、シャインマスカットが品種登録されたのは2006年。
もう20年近く前の品種です。
今ではシャインマスカットの血(ないけど)を受け継ぐ新しい品種や、他の交配によってシャインマスカットにも負けないような品種がたくさん出ています。
今回は新しくぶどうの苗を買う際に是非候補に入れてほしいぶどうの新品種のご紹介です。
やっぱり今から買うならシャインマスカットと同様に、皮ごと食べられて種なしにできる品種がいいですよね。
でもいちいち調べながら選ぶのも時間がかかる・・・・・・。
以下で紹介するのは全て皮ごと食べられて、種なしにできる品種ですのでどれを選んでも安心です。
今からぶどうを育てるならぜひ新しい品種も!
ぶどうを育てようと思った人の半分は、シャインマスカットに憧れて苗木を買うと思います。
それくらい存在感の強いシャインマスカットですが、せっかく長い付き合いのぶどうを育てるなら、もっと様々な品種を調べて、自分に合っていそうなぶどうを選ぶともっと栽培も楽しくなります。
色も白(緑)・赤・黒(紫)とありますし、味も甘みが強いものやさっぱりしたものなど様々です。
シャインマスカットはいまやどこでも購入できますが、もっと好みの苗を探して自分だけのぶどう園を作ってみませんか?
種なし化ができる&皮ごと食べられる品種(白ぶどう)
シャインマスカットと言えば白ぶどうですが、白ぶどうにはシャインマスカットにも負けないぶどうがまだまだあります。
見た目にも美しく、高級感があふれているのも特徴ですね。
中にはうまく実をつけるのが難しいぶどうもありますが、是非挑戦してみたいぶどうばかりです。
ジュエルマスカット ←オススメ!!

平成19年に「山梨47号(ジュライマスカット×リザマート)」と「シャインマスカット」を交配して作られ、平成23年に品種登録が公表された品種です。
黄緑色で大粒のボリューム感が特徴で、果房の重さは600gを超えることもあります。
長楕円形の大粒で、一粒の重さは約18g、外観が山梨の宝石のように美しいことから名付けられました。
ジベレリン処理を施すことで種なしになり、酸味が少なく皮ごと食べられます。
糖度は約18度で、マスカットの香りはありません。
今からシャインマスカットを
おすすめ購入場所はこちら【(有)菊地園芸】
バラディ
新しいぶどうではありませんが、様々な品種の親になっています。
(マニキュアフィンガー・バラード・サニードルチェ等)
細長い粒で、シャキシャキとした食感が特徴です。
甘みだけであれば他にもぶどうはたくさんありますが、特徴的な形と食感を楽しめるぶどうです。
瀬戸ジャイアンツ
「グザルカラー」と「ネオ・マスカット」の交配によって作られたぶどうです。
桃太郎ぶどうとも呼ばれています。
最大粒30gに達する巨大果で種がなく、食べるときの皮の薄さが特徴です。
マスカット香はありませんが、食感が「パリッ」としていて、爽やかな甘酸っぱさが広がります。
シャインマスカットより皮が薄く、さっぱりとした甘みです。
その皮の薄さから、栽培では裂果してしまうことがあり、難易度は高めですがゴロゴロッとしたその見た目は、是非チャレンジしてみたい品種です。
天山
「ロザリオビアンコ」と「ベイジャーガン」という品種を交配し、育成した品種です。
果粒の平均重量は20~25g程度で、最大約40gに達し、世界最大級の大きさになる可能性があると言われています。
種なし処理をした粒は、先端が平らな円筒形になる傾向があります。
薄い黄緑色の果肉が特徴で、皮が薄くまるごと食べられます。
裂果しやすいというデメリットがあり、栽培が難しいため生産者は少ない状況ですが、家庭で作る場合は裂果があって房の形が崩れても問題ありません。
果汁が豊富で、みずみずしい味わいが楽しめる品種ですのでぜひ候補にどうぞ。
雄宝(ゆうほう)
「シャインマスカット」と上記の「天山」を交配して作られた品種です。
最大の特徴は、その大きな粒です。
食味は天山に似ており、最初は爽やかで、後に強い甘みが感じられます。
大粒でボリューム感のあるぶどうを求める方は、この品種がマストバイです。
もちろん皮ごと食べられますし、種なしにもできます。
果肉は固めで果汁が多く、酸味は控えめです。
天晴(あっぱれ)
雄宝と同じく「シャインマスカット」と「天山」を交配してできた品種です。
雄宝の兄弟なので見た目からそっくりですね。
雄宝は、母がシャインマスカットで父が天山。
天晴は、母が天山で父がシャインマスカットなので、花粉をどちらから取ってつけたかという違いがあります。
素人目線だとそんなに大きな違いはないような気がしますが、味を比べてみるために両方育ててみるのも面白いかもしれません。
種なし化ができる&皮ごと食べられる品種(黒ぶどう)
黒ぶどうは濃い紫の皮をしたぶどうのことです。
巨峰やピオーネ、藤稔などが有名です。
元々皮が厚い品種が多く、種なしになったとしても皮をむく必要があるものばかりです。
その中でも比較的皮が薄く、苦みもない皮ごと食べられる品種もあります。
ナガノパープル ←オススメ!!
「巨峰」と「リザマート」を交配したぶどうです。
元々はその名の通り長野県で独自品種として作られました。
品種登録は2004年ですが、以降長野県内のみで栽培が許可されていました。
2018年になり、他県での栽培許可も下りたため苗木が流通しました。
白ぶどうや赤ぶどうよりは皮は厚く感じますが、巨峰より非常に食べやすいです。
巨峰の皮の苦みが苦手という人も多いと思いますが、苦みもかなり少なく皮ごと食べられます。
実際に栽培していますが、大粒でかなりおいしい高級ぶどうといった感じです。
そのおいしさ故、ハクビシンかリスにかなり食い荒らされてしまいましたが・・・・・・。
マスカットノワール

黒いシャインマスカットと言われるぶどうです。
「シャインマスカット」と「ジーコ」の交配品種です。
巨峰など丸くて大きい粒ではなく、シャインマスカットやジーコと同じく細長い円柱型の実です。
糖度は20度前後と甘いぶどうで、巨峰など黒ぶどう独特のフォクシー香はありません。
粒は木の年齢と共に大きくなっていくようですが、著名な黒ぶどうと比べると少し小さめに感じるかもしれません。
皮もシャインマスカットと比べるとしっかりしているので、雨で裂果しにくくなっています。
種なし化ができる&皮ごと食べられる品種(赤ぶどう)
赤ぶどうは比較的皮ごと・種なしの品種が多く、選択肢が豊富です。
デラウェアに代表される赤ぶどうは現在は白や黒に比べ高級感が劣っているような扱いがありますが、糖度も高く、皮も薄くて食べやすいぶどうが多いです。
味わいも品種によってかなり違うので、赤ぶどうの中でも比べると楽しいかもしれませんね。
秋鈴(しゅうれい)
秋鈴は「ルビーシードレス」と大粒の「ハリセフ」を交配して作られた品種です。
最大の特徴は自然状態で種なしになること。
無農薬栽培をしている人や、ジベレリン管理が面倒という人にはもってこいの品種です。
若木のうちは果実は少し小さめですが、ジベレリン処理をすると実の肥大は起きるので、実を大きくしたい人はジベレリンを準備しましょう。
糖度18~19度程度ですが、酸味が少ないのでその分甘く感じます。
バイオレットキング
「ウインク」と「シャインマスカット」を交配した品種です。
20度以上の糖度を出すことも多く、さらに程よい酸味があるので非常においしいぶどうです。
さらに大粒で、500円玉より大きい粒になることもあります。
花梗(個々の実の茎の部分)がしっかりしているため、実から外れにくく日持ちが良好です。
皮が薄いため裂果しやすく、赤紫色の色づけも難しいですが、できたときの満足感もひとしおです。
サニードルチェ
「バラディ」と「ルビーオクヤマ」の交配品種です。
甘いには甘いですが、ぶどうというより青リンゴのような爽やかな甘さと酸味が特徴です。
粒は楕円形で細長い形状です。
我が家でも育てていますが、比較的若木の頃から大きい粒が取れていました。
糖度を上げるには葉をよく日に当ててあげないとなかなか糖度が乗ってきません。
ですが、さっぱりしたぶどうなので飽きることなく一気に全部食べられます。
クィーンセブン ←オススメ!!
「シャインマスカット」と「マニキュアフィンガー」の交配品種です。
最大の特徴は最高糖度25度というその甘さです。
世界一甘いぶどうと評されることもあります。
食感はサクサクした軽い歯ごたえで、皮も薄く口内に残らず食べることができます。
酸味は穏やかなので、酸味が強いぶどうが好きな方にはあまり合わないかもしれません。
甘さだけでなく、食べやすさも兼ねたぶどうなので、是非育ててみて欲しいぶどうです。
僕も育てていますが、糖度を上げるのはどのぶどうも難しく、25度は夢ですがそれでもおいしいぶどうです。
マイハート ←オススメ!!
「シャインマスカット」に「ウインク」を交配して作られた品種です。
ウインクとシャインマスカットの交配にバイオレットキングがありますので、兄弟のようなものですね。
最大の特徴はその形。
ちょっと無理矢理な感じもありますが、ハート型なんです。
切って断面を見るとよりハート型に見えます。
酸味は穏やかで、甘みが強く、果汁も豊富です。
現在栽培していますが、小さい青い実の時点でもハート型をしていて、実が肥大していくのが楽しみな品種です。
コトピー
コトピーは「甲斐乙女」に「シャインマスカット」を交配した品種です。
シャインマスカットの子供は本当に多くなってきましたね。
綺麗な鮮紅色の果皮をしていて、粒の大きさもシャインマスカットと同じくらいになります。
若木の頃は粒は小さいので、木の成長と共に粒も大きくなっていきます。
糖度は20度前後でシャインマスカットと同様。
酸味と甘みのバランスがよく、とてもおいしいぶどうです。
スカーレット

「ロザリオロッソ」と「シャインマスカット」の交配品種です。
かなり大粒の実で、ゴツゴツしているような形の物もあります。
糖度は20度を超えることもあり、甘みが強い品種です。
ぶどうの中では早熟で、生産地では8月中旬~下旬に収穫できます。
大粒の赤ぶどうを口いっぱいに頬張りたいなら、ぜひ栽培してほしい品種です。
ヌーベルローズ

「ロザリオロッソ」×「シャインマスカット」の交配品種で、楕円形粒をした赤ぶどうです。
粒は7~9gと中粒ですが、糖度は20度以上も出るため甘くておいしいぶどうです。
交配した植原葡萄研究所では「シャインマスカットの赤の中では一番うまい」と言わしめている品種です。
裂果も少なく、シャインマスカットと同様のマスカット香があります。
つま紅

山梨県の園地で見つかった(枝変わり?)、高糖度の赤いぶどうです。
果粒は長楕円形をしています。
果皮は黄緑色で、全体に淡い紅色がかかっています。
ジューシーで果汁が豊富な肉質で、糖度は20度以上に達します。
非常に甘いぶどうです。
購入は株式会社イシドウ
昭平紅(しょうへいこう)

秋田県にて赤系ぶどう(品種名不明)の種をまいて選抜育成した品種です。
粒は13~20gでやや大粒、糖度が15~20度と高く、適度な酸味と硬めの肉質を持っています。
もちろん種なしにできて皮ごと食べることができ、フルーティーで爽やかな味わいが特徴です。
長期間保管しても色が黒くなりにくい一方で、完熟すると裂果しやすくなるという欠点があります。
紅環(べにたまき)

株式会社植原葡萄研究所において「カッタクルガンの実生」から選抜、育成された品種です。
果皮は淡い赤色でグラデーションが綺麗な見た目です。
果粒は13~16gと大粒です。
成木では、大房(800g)にもなりずっしりとしたぶどうを楽しめます。
糖度は20~22度と非常に高く、肉質も締まっていて食味は非常に優れています。
晩腐病にやや弱いので防除が必要です。
色・粒形・味で自分好みのぶどうを探そう
シャインマスカットの人気は継続していますが、ちょっと探してみると新しい品種は常に開発されていて、もっと自分好みのぶどうがきっと見つかるはずです。
自分で食べても人にお裾分けをしても喜ばれる、スーパーには売っていないぶどうを是非育ててみましょう。
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