登山を初めて少し経ちましたが、登山って服の組み合わせが難しいですね。
組み合わせを間違えると暑くて汗だくになったり、寒くて帰りたくなったり。
今回は服の組み合わせである「レイヤリング」について学びたいと思います。
登山の基本:レイヤリングって何?
基本的に登山の服装はいくつかの「層」に分かれています。
登山も普段着と同じように肌着を着て、暖かい服を着て、外側にはジャケットを着るという基本は一緒です。
一番内側をベースレイヤー、一番外側がアウターレイヤー。
その中間をミドルレイヤーと呼びます。
それぞれの特徴は以下。
ベースレイヤー
アンダーウェアとも言います。直接肌に触れる衣類のことで、吸湿性や速乾性などを重視して選びます。
その内側にさらにインナーとして、ベースレイヤーの吸湿性や速乾性を補助するメッシュ素材の衣類もあります。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーはミドルという名の通り、中間着と呼ばれます。
中間着は体温を調節し、体の温度を一定に保つための衣類です。
中間着も目的によって2種類に分かれます。
・汗をかく行動中に着る「行動着」
・休憩時に汗で体を冷やさないために着る「保温着」
です。
行動着は汗に強いフリース、保温着は効果の高いダウンジャケットというのが定番でしたが、最近では行動着と保温着を兼ねたインサレーションという中間着も登場し、人気になっています。
インサレーションは汗に強い化繊の中綿が入っている衣類で、通気性を良くする工夫がされています。
アウターレイヤー
アウターレイヤーとは、登山やアウトドア活動において、最も外側に着る服のことです。
主な役割は、風や雨、雪などの天候不順や気温の変化から身を守ることです。
アウターレイヤーには、防水性や防風性が求められ、通気性も重要です。
重量が重く、防水・防雪機能の高いハードシェル
重量が軽く、風を防ぐためのウィンドシェル
中間のソフトシェルに分かれます。
レイヤリングの素材は何がいいか
それぞれのレイヤーの素材も目的によって異なります。
化繊や動物・植物繊維もそれぞれの特徴があります。
ベースレイヤー
通年を通して吸湿性や速乾性(二つを同時に持つ素材はありません)が高いメリノウールやポリエステル素材のものを選びましょう。
春~冬まで登山時には必ず汗をかきます。
液体の汗だけでなく、水蒸気となった汗も体を冷やす原因になります。
吸湿性が非常に高い綿(コットン)は、繊維の表面から中に至るまで水分をため込んでしまい、肌触りが悪い上に体を冷やしてしまいますので、綿素材の肌着は避けましょう。
メリノウールとポリエステルのいいとこ取りも販売されています。
ミドルレイヤー
ミドルレイヤーは気温に応じて様々な種類を選ぶ必要があります。
そのため、これと言った定番の素材はありません。
夏であれば薄手のポリエステルやナイロン、ウールのTシャツ。
肌寒い時は化繊や毛のフリース、厚手のシャツ、薄手のダウン等。
冬期はフリースやインサレーション、ダウンジャケットがいいでしょう。
アウターレイヤー
アウターレイヤーのほとんどはその目的から、定番の素材があります。
ウィンドシェル
主に風を防ぐのが目的のウィンドシェルは、ペラペラで重量も軽く、持ち運びもしやすく作られています。
繊維はナイロンorポリエステルです。
元々ナイロンやポリエステルは撥水性を持っている素材なので、防水スプレーを施行しておけば多少の雨でも大丈夫です。
薄手なので体温調節には不向きですが、その分パッキングした際に片手の拳サイズに畳むこともできます。
ソフトシェル
ポリエステルとナイロンを主に使用ししているソフトシェルは、快適な着心地と柔軟性が魅力です。
完全防水ではないものの、化学繊維特有の撥水性を備えているため、小雨や霧雨ならば十分に対応可能です。
透湿性があり、汗蒸れを逃がしやすいので活発に動いても衣服内を快適に維持できます。
また防風性能もあり、風による体温の低下を防ぎます。さらに裏地の素材や厚みによっては保温性もある製品もあり、四季を通して登山時の万能衣類として使われています。
ハードシェル
ハードシェルとは、防水・防風性の高いジャケットやパンツのことを指します。
ハードシェルは基本的に完全防水であり、雨や雪から体を守るために着ます。
ナイロンやポリエステルが使用されますが、防水フィルムを組み込んでいる場合がほとんどです。
また価格は高いですが、ゴアテックスという防水透湿の素材が使われることも多いです。
レインコートもその目的からハードシェルに分類されることもあります。
レイヤリングを理解して快適な登山をしよう
登山を快適に楽しむためには、レイヤリングの基本を理解することが重要です。
季節や天候に応じて、これらのレイヤーを適切に組み合わせることで、登山中の快適さと安全性を確保できます。
レイヤリングの基本を理解し、実践することで、どんな環境でも快適な登山を楽しむことができるでしょう。
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