石灰ってなんぞや?
植物を育てようと思って肥料コーナーに行った時、石灰と書いてある袋が置いてあることに気付いて、初めて存在を知ることも多いと思います。
今日は石灰についてのお話です。
石灰とは簡単に言うと
「酸性雨が多く降る日本で、酸性に傾きがちな土に混ぜて中和してくれるアルカリ性の成分を含んだモノ」
です。
原材料は石灰石だったり、カキ殻だったり、もみ殻だったり、種類がいくつかあります。
完全に専用の土を買って育てる場合は特にいらないと思いますが、年単位で育てる植物や、地植えをする場合にはぜひ使ってほしい改良剤です。
ある程度しっかり育てたい人は自分の土の酸性度を測ってみましょう。デジタルが便利です。
なんで土を中和する必要があるの?酸性じゃだめなの?
そもそもなんで石灰を使わなきゃいけないのか、と疑問に思うでしょう。
それには大きく分けて2つ理由があります。
①酸性土壌を苦手とする植物が多い
果樹中心ブログなので、果樹を前提で説明すると
果樹のほとんどは弱酸性(ph5.5~6.5程度)~中性の土が大好きです。
あまり酸性になると植物が弱る、または枯れてしまう場合もあります。
僕が知る限り、酸性土が好きなのはブルーベリーくらいです。
他にも桃などは比較的酸性度に強いのですが、やはり適しているのは弱酸性の土になります。
②中性に近いほど微生物が多くなる
微生物は有機物を分解して、ふかふかの土にしてくれます。
ふかふかの土は水もち、水はけが良く、植物も根を伸ばしやすい環境になります。
ph5とph6だと倍くらい微生物の数が違うんです。
せっかく有機肥料を施肥しても、微生物が少なければ効果は少ないので、土壌の酸性度にも注意しましょう。
石灰の種類
さて、上でも書きましたが石灰にも種類があります。
使い勝手のいいものから、使い方に注意するものまで様々です。
自分と相性の良さそうな物を選んでみましょう。
生石灰:せいせっかい(素人にはおすすめできない)
よく乾燥剤として入っている白い粉です。
こういうの、お煎餅とかに入ってるの見たことあると思います。
これが生石灰です。
石灰岩を一度焼いたものです。
水分を吸って熱を発するため、乾燥剤として使われます。
水を掛けると高温になって危ないよ、と教わった人もいるでしょう。
畑に混ぜ込んだときも同じです。
水分を吸うことにより反応して高温になるため、種を撒いたり、苗を植えたりするのはそれが落ち着いてから(20日以上)にしましょう。
反応が終わった生石灰のことを、後述する「消石灰」といいます。
こだわっているプロでもない限り、生石灰は使わず他の種類の石灰を使用したほうがいいでしょう。
消石灰
上の「生石灰」の発熱反応が終わったあとの状態を消石灰といいます。
アルカリ分が70%前後と高いため、強い酸性の土にも効果的です。
即効性があり、趣味~プロまで使用されている石灰になります。
効果が強いので使ってから植え始めるまで2週間ほど置きましょう。
炭酸カルシウム
石灰岩を粉末状にしたものです。
緩効性で、緩やかに効果を発揮します。
施肥したあとはすぐに播種・定植ができます。
苦土石灰 おすすめNo.1!!
僕がおすすめする一番の石灰はこの苦土石灰です。
苦土石灰はマグネシウム(苦土)を含んだ石灰で、上の石灰類に比べるとアルカリ度は低めで効果も穏やかです。
酸性度が強い土にはあまり向きませんが、植物の光合成に必要な葉緑素を作るためのマグネシウムを含んでいるため、土の酸度調整とマグネシウムの補給を同時に行うことができます。
様々な種類の商品が販売されており、マグネシウム以外の栄養素もプラスされているものや、施肥したあとすぐ播種・定植できるものもたくさん売られています。
粉末ではなく粒状の物が多いのも使いやすくていいですね。
植物を栽培する方はぜひ持っておきたい石灰です。
有機石灰(カキ殻・もみ殻くん炭など) おすすめNo.2
僕が苦土石灰の他におすすめするとしたらこちらの有機石灰です。
貝殻やお米のモミなどを砕いたり焼いたりして作られた石灰で、アルカリ度が一番低くゆっくりと長く効果が出ます。
熱が発生することもなく、安心して使える石灰肥料でしょう。
有機石灰はその名の通り有機物でできていますので、土中の微生物を増やすのにも効果があります。
微生物が増えるとふかふかした土になりますので、土質改善にももってこいの石灰です。
石灰を使って植物を健康に育てましょう
石灰といっても様々な種類がありますね。
僕も最初は肥料だけあげておけばいいんじゃないかと思っていました。
正直、石灰をあげたところで、生育にそこまで明らかな違いはわかりません。
買った培養土であれば酸性度の調整もしてあるのですぐには必要ありません。
ですが、長い時間をかけて育てる植物、または地植えをするのであれば植物が病気にならず育てる環境の一つとして欠かせないことも事実です。
石灰自体はそこまで高いものでもないので、大切に育てている植物であれば環境整備のために一つは準備しておきたいものです。
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