今回は絶対にキャンプに欠かせない「ペグ」についての勉強です。
ほぼ100%のキャンパーが、テントやタープを固定するのにペグを使っているでしょう。
忘れるとロープを石に固定したり、そこら辺の木の枝をペグ代わりにしたりと結構悲惨です。
ペグ忘れで小枝を使う体験をしてキャンプレベルが少し上がった気がした! pic.twitter.com/orkj7rOdwe
— ミィ🌴ロミロミアロマセラピスト (@lomilomina31) March 4, 2021
最近はペグもかなりの種類が出てますので、どれがいいかな~と迷うことも多いと思います。
「ベテランキャンパーっぽいからこれにしよう!」と選んだまではいいですが、あとになって若干の後悔が起きないようしっかり知識を身に着けましょう!
ペグとは?
基本の基本で、ペグとはなんぞや?という説明です。
ペグ(peg)とは釘や杭のうち、特定の用途に用いるものをペグと呼んでいます。
①テントやタープを張るためのロープを地面に打ち付けるためのもの。
②ゴルフや陸上競技において、記録位置の目印として打ち込むもの。
③バイオリンやギターなど弦楽器において、チューニングのために弦をまきつけるもの。
などが代表的なペグですね。
今回は当然ですが①のテントやタープを固定するためのペグについて学びます。
ペグの種類
キャンプブームと比例して、ペグも様々な種類が出ています。
【おすすめペグはこれだ!】と、とりあえず鍛造ペグを載せるなんてことはしません。
ガレージブランドなども含めると、もう把握しきれないくらいの数になってると思います。
自分に合った素材と形状のペグを考えて、本当に使いやすいペグを探しましょう。
素材
アルミ(ジュラルミン)
メリット | 軽量(アルミは同じ大きさの鉄の1/3の重さです。) 錆びない |
デメリット | 柔らかいのですぐ曲がる(ジュラルミンは比較的曲がりにくい) |
テントやタープを買うと付いてくる、銀色のペグがアルミペグですね。
ジュラルミンはアルミと銅を混ぜた合金です。
よほど細いアルミペグ(割り箸くらい)でなければ、一般的なキャンプ場での設営はアルミペグで十分です。
ペグは何本も準備しておくものなので、総数での重さはかなり違ってきます。
(ジュラルミンに使われる銅は、鉄より重いので多少重みはでてきます。)
ですが、地面が硬い・石がある・風で煽られるなどの条件ではアルミが曲がってしまう可能性が大です。
鉄(スチール)
キャンプギアではベテランに愛され続ける鉄素材です。
鉄を成型したものや、鋳物など様々な種類が販売されています。
無骨な鍛造ペグは、渋いキャンプを求める人に大人気です。
メリット | 頑丈で硬い土、石にあたっても変形しにくい |
デメリット | 重い 錆びる |
鉄は強度で言えばアルミの1.5倍。どんな地面でもガンガンと打ち込むことができます。
ですがその反面、ケアに気を使う素材です。
土中の酸性で錆びたり、雨に振られて錆びたりと、錆びる原因はそこかしこに。
フライパンのようにシーズニングしておくと錆びにくいかもしれません。
錆びるのも味があっていいという人には最適なんですけどね!
また、重いので徒歩・自転車などのキャンプには不向きなのも惜しいところです。
チタン
スノーピークのマグでもおなじみのチタン。
素材だけで見るならペグとして最高級の金属です。
メリット | 鉄より軽い(鉄の6割の重さ) 鉄より硬い(鉄の2倍の強度) 錆びない |
デメリット | 高価 |
チタンは酸素に触れた瞬間に酸化皮膜を形成します。
言うなれば一瞬でシーズニングされるので、錆の心配はありません。
海水にも絶対耐性(中二病っぽい)があるので砂浜でも安心して使えます。
強度的にもアルミの3倍、鉄の2倍なので、かなり丈夫!
重さも鉄の約6割です。
でも、その反面結構金額がお高めです。
ですが、買い替える必要がかなり少なくなるので、一生物と言ってもいいかもしれませんね。
ステンレス
ステンレスは一般的な生活だけでなく、キャンプでもお馴染みの素材ですね。
メリット | 強度と重さは鉄と同じくらいなのに錆びにくい |
デメリット | 重い 錆びないわけではない(ニッケルが含まれているため) |
ステンレスはほぼ鉄と同じ強度・重さの金属です。
キャンプ界隈では鉄と並んで人気の金属ですね。
ステンレスはクロムとニッケルの配合率によって、SUS200系~SUS600系まであります。
加工しやすい200系、腐食に強いSUS304、耐水性に優れるSUS310などそれぞれに特徴があります。
一般的にキャンプ用品で見かけるのはSUS304とかでしょうか。
チタンほどではないですが、ステンレスに含まれるクロムは酸素と結合してすぐに酸化皮膜を作るので、錆びにくいのが特徴です。
ただ、長時間水分や汚れと接していると、その部分は酸化皮膜が作られにくくなってしまい、錆を引き起こしてしまいます。
プラスチック(カーボンも含む)
プラスチックは一般的なプラスチック樹脂と、炭素繊維強化プラスチック=カーボンのペグがあります。
メリット | 軽い(カーボンは鉄の1/5程度の重量) 鉄より強度がある(カーボン) |
デメリット | 単なるプラスチック樹脂は壊れやすい 紫外線で劣化しやすい 高温に弱い 高価(カーボン) |
一般的なプラスチックは「安い・軽い・壊れやすい!」のイメージ通りで合っています。
ここでは主に最近多くなってきた炭素繊維強化プラスチック=カーボンについての評価です。
カーボンはメリット・デメリットがはっきりしている素材です。
炭素繊維で作られたペグは鉄より軽くて強いです。
強度は最大10倍もあるようですよ。
しかし炭素繊維を接着する樹脂によっては紫外線で劣化することも。
UV加工かどうかのチェックも必要そうです。
また、高温に弱いことも心配です。
カーボン自体も200度程度の耐熱しかできませんし、他の樹脂によってはもっと低い温度で劣化してしまいます。
しかし、軽さは鍛造ペグが1本200gのところ、カーボンペグは1本30gと比べ物にならないくらい軽いです。
10本あったら合計2kgと300gの違いはかなり大きいですよ……。
ペグの長さについて
ペグの素材についてはもうかなりマスターしましたね。
次はペグの長さについてです。
「どこで(地面の状態)キャンプをするか」によってペグの長さが決まってきます。
ただ、何種類もの長さのペグを準備するのは大変でしょうから、主にキャンプをする所を基準に考えればいいと思います。
20cm前後のペグ
20cm前後のペグは整地されているキャンプ場向けです。
決して長いとは言えないので、固定力もそれなりです。
整地されているキャンプ場でも雨が降った時など、地盤が少しゆるくなっている時は不安定になってしまうので、打ち込む本数を増やす必要があることも。
ただ、短い分重量もないので、軽量化を図りたい人はこのサイズがベストだと思いますよ。
28cm~
30cm付近のペグはオールマイティに使える長さです。
地盤が不安定なところや、風が強い所でもテントやタープを強く固定することができます。
有名な鍛造ペグもこの長さが多いので、人気の長さですね。
正確には30cm前後と言っても、28cmか30cmがほとんどだと思いますが……。
35cm~
35cmからの長いペグは砂浜や火山灰土壌の柔らかい場所で効果を発揮します。
さらさらの砂地では、通常のペグはすぐに引き抜けたり倒れてしまいます。
そんなときには深いところまで攻めるしかありません。
深いところは海水で固くなっていたり、踏み固められて多少崩れにくい土質になっていますので、そこまで刺されば安定するでしょう。
地味だけど重要!それがペグ
テントやタープほど目立ちませんが、どんなフィールドでも安定性を確保してくれるペグ。
野営をしたい人は石や木でも構いませんが、キャンプ場で万が一のことがあっては楽しいキャンプどころか、他のキャンパーにも迷惑をかけてしまいます。
安心してキャンプを楽しめるよう、これを機会にペグも見直してみてはいかがでしょうか。
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